『信頼し合っていること』を『信じてる』

本日は京都の小学校の先生に向けての

ドラムサークル&講義。

・・のお手伝い。

 

講義をするのは妹尾美穂さん。

先日、大三島での研修でもご一緒させていただき、彼女のスピリッツに大変感動させてもらってたので、お手伝いできると聞いて、当然二つ返事で引き受けました。

 

 

美穂ちゃん、この前日に岡山で300人を超えるドラムサークルを2セットもこなし、当日京都入り。

んで、この日に京都を後にする。。という日本が狭く感じる尋常ではない活動範囲。

 

ご存知の方もおられると思うが、

美穂ちゃんは一児の母であり、ドラムサークルファシリテーターでもあり、ミュージシャンでもあり、

鍵盤ハーモニカ指導者研修等の活動で知られる鍵盤ハーモニカ教育laboの運営等々。。

むっちゃ忙しい人なのだ。

 

まず、美穂ちゃんのスゴイとこは、そのような尋常ではない活動をしてるのに、、

最近、めっきりフツーな活動の僕に目線を合わせてきてくれるとこ。

 

一応、僕はサポートという立場なのだが、心理的には僕のほうが、彼女からサポートされていた(笑)

ドラムサークルとは

ドラムサークルとは、ジャンベ、シェーカー、ギロ、など、、

「たたく、振る、擦る」で音の出る打楽器で輪(サークル状)に座り即興演奏を楽しむ。

「練習せずにその場で全員が演奏する/基本的に聴衆がいない」「間違い/失敗」がないというのが特徴である。

 

別の側面から見れば、ドラムサークルはメタファー(暗喩)ともいわれている。

 

初めてファシリテーターが入るチームであっても、

すぐにそのチームの、関係性、力関係、etc..が見えてくる。

 

ドラムサークルは社会の縮図なのだ。

 

固定観念の鎧を外そう。

研修室に美穂ちゃん、僕、校長先生が楽器をなんとなく鳴らしている。

そこへ、先生方が集まってくる。。

「お好きな席のどーぞ」と美穂ちゃん。

 

意味がわからぬまま、、?、それぞれが

ジャンベが置かれている席へ。

シェーカーが置いてある席へ。

カエルギロが置いてある席へ。

カスタネットが置いてある席へ。

(直観的にやってみたい楽器を選んだ?・・笑)

 

今回の研修はこちらの校長先生の たっての要望から実現したそうなのだが、

研修する先生方は研修室に入るまで、何をする聞かされていなかったそうだ。

 

美穂ちゃんもそれを知って、敢えて説明をせずに、ドラムサークルから始める。

 

きっと先生方も不安と緊張と戸惑い、、いろんな感情を混ぜながら、、

「この楽器はどうやって音をだす?」

というのも考えれぬまま?

なんとなく直観的に?音を重ねていったことだろう。

 

その状況でも『あっ!』と言う間に音がまとまりだす。

美穂ちゃんが指を1本あげて合図すると、、一回だけ大きく叩く(アクセントノート)

・・もちろん説明ナシである(笑)

一回目は数人しか理解できてなかったと思うが、

二回、三回と続けるうちにアクセントが全員キレイに揃う。

 

ボリュームアップ・ダウン、ストップカット(リズムを止める)、

コール・トゥ・グルーヴ(リズムをスタートさせる)、

コール&レスポンスなどなど、、

打合せナシ、練習ナシ、説明ナシ、で「よくわかるよなぁ~」

・・って、相変わらず関心してニヤついてしまう僕(笑)

いや、むしろ説明などしていたら、これほどの短時間で理解できないだろうし、

間違いや失敗を存在させることになる。

 

 

「これはこうあるべき」とか「こういうのはオカシイ」「これであってる?」とか、、

 

人それぞれの固定観念まで引き出されて、物事がムズカシクなってくる。。

 

 「これはなんだ?」と考えている暇もなく、、直観、あるいは本能のまま叩く(笑)

 

 

 

とにかく、今やろうとしていることは『今、この瞬間』に全員が参加してくることであり、

参加者の意識が

過去や未来を想像したり、立場や状況、見た目が、妄想に変化したりすることなく

『今、この瞬間』に集中していく。。

 

 初めての体験に自分の持っている常識、経験、知識、何も要らないし

何しろ今から体験することは初めてのことだから、考えようがない。

 

自分の邪魔をする固定観念の鎧を脱ぎ捨てるところから始まる。

 

その鎧を脱ぎ捨てられたとき、、

一瞬にして急激に参加者全員の意識がサークルの中心に集まり、リズムがまとまる。

 

その瞬間はいつも好きなんだが、

 

美穂ちゃんの場合はそれが早い段階で、急激な変化をもたらしてる。。

それは何故か?

 

スマイル

僕の知っている美穂ちゃんは

スマイルがピカピカの美穂ちゃんしか知らない。

 

やっぱりスマイルは大事。

(大三島でも思った)

けど、、あそこまでのピカピカスマイル、、僕にはできんな~(←努力しろよ~)って思っていた。

 

つまり美穂ちゃんの存在感そのものが、あそこまでの吸引力の源と思っていた。

 

それも大事な部分に違いないが、、

美穂ちゃんは、

今日のチームが『信頼し合っていること』を『信じていた』

これは、大事な部分だけど、なかなかできることではない。そこにやっと気が付いた。

 

今回、このような状況があった。

リズムが止まっている状態で、ひとりずつ楽器を鳴らして重ねていきリズムを作っていこうっていうことになった。(レイヤーインという)

僕がファシリテートするならば、よくわかっているスタッフを最初にしてリズムのベースを作る。。

この時の状況ならば僕から始めると思った。が、

そうじゃなかった。美穂ちゃんが1番に指名したのは女性の先生。

(音楽をよくわかっているかどうかわからないが)

 

僕であれば怖くてできん(笑)

何がでてくるかわからない、、という人から最初にした場合、、ほんとにどうなるかわからんやん(笑)って思う。

 

そして、、でてきたリズムは、

『タンタカ ンタタン タタンタ タンタン』という1小節パターンのシンコペーション(笑)

2人目、3人目も、その小気味のよいリズムにうまく乗せていく。

 

それなりにリズムの事を知ってる人達!?って思えるほどのクオリティの高さ。

 

美穂ちゃんも感動してた(笑)

この感動はこちらが用意した器でできあがったものでなく、

このチームを土台として立ち上がっていくところに感動があったのだ。

 

レイヤーインは、

自分より前に出したリズムを尊重し、

支えるように寄り添って、

決して邪魔することなく、

さらに発展していくっていうのが美しいものだと思う。

 

これって、他者の言うことに対して批判でなく、

尊重し、共感し、チームをよくするために、

『いま自分が何ができるか?』と、この場に貢献するっていうキモチ。

それがチーム全体にないとムリだし、

どんな状況になっても、良い方向へ転換させられるチカラ。。

それがこのチームにある、ということを信じてたんやなーって思った。

 

ここが美穂ちゃんをスゴイところだ。

大三島の時もそうだったけど、

今日もスタッフということを忘れて、幸せな気持ちになったし元気がでた。

 

今日は美穂ちゃんのスピリッツに触れ、最大の学びを得たと感じている。

 

すべての指導者にこのスピリッツを体感してほしい

この研修は校長先生が

「このドラムサークルのエッセンスが教育現場に必要」と感じて、美穂ちゃんと繋がったらしい。

 

ドラムサークルでは間違いや失敗というのはない。

これは、正解というものが存在しないので、間違いや失敗という概念がないということだ。

 

シェーカーパスというゲームがある。

全員がシェーカーを持ち、そのシェーカーを「取ってー♪回すー♪」と歌いながら、一定のテンポで隣の人へ1個ずつ渡していくゲーム。

 

これが、、落とす人が居てると面白い。というより、かならず誰かが落とす。最終的には半数以上落ちてる。このゲーム、たったそれだけのことなのに、自然に笑顔になり打ち解けあう。

 

このゲーム、落ちることを失敗ととらえたら笑えないね(笑)

笑いが笑いを誘うスマイルパスゲームです。

 

ドラムサークルで起こるハプニング=笑い

共感しあう。共に創っていく空間。気持ちを繋いでいく、ひとつになる。

なにより『今、この瞬間』を全員が体感できるこの感動。。

 

打楽器はほとんどの文化において最初に作られた楽器といわれている。

人は昔々の言葉もないような時代から、ことあるごとに集まり、輪になって打楽器で喜びや悲しみなど表現し、歌、踊り等を行ってきた。

 

それに近いものがそこにはあるし、今、必要なものがここに存在していると感じている。

 

間違いをおそれては新しいことはできないし、

失敗をおそれては冒険などできない。

効率を重視するあまりに感情をどこかに置いてきてしまった。

創造的なものに点数などつけれないものだ。

ボタン一つで結果が出るような便利な時代になった。その代わりもっと心と向き合う時間を作りたい。

 

一生付き合っていく自分という存在を、もっと愛して、もっと優しくしてあげれたら、

世の中はもっとよくなるのではないか?

 

自分という存在は宇宙の中の一部分であり、この世のすべてのものは宇宙の中の一部分である。

 

ドラムサークルはメタファー(暗喩)だ。

ドラムサークルという宇宙の中では、自分がサークルの一部分ということを感じれる。

決して個性を無くしているわけでない。むしろ逆で、個性を生かしていくことがこのサークルへの貢献へとつながる。

 

ドラムサークルに参加すれば

誰もが一人ひとりを尊重していくところに、想像もできなかった場所に行きつくと体感できるだろう。

 

僕は現在、ドラムサークルファシリテーターのほか、演奏したり、人を指導したり、モノづくりをしたり、少しだけ教育現場にも関わらせてもらったり、そのすべてにドラムサークルの経験が生きている。

 

人と関わる世界にいる以上、この中で発見することが無数にある。

まさにドラムサークルは社会の縮図だ。

 

次回のドラムサークルは

今回はいつもよりボリュームが大きくなった。

いかに今日の研修が興奮した内容だったかを思ってご了承ください。。

 

最後、次回のコミュニティドラムサークルの宣伝だけさせてください(笑)

 

次回のドラムサークルは

11月17日(日)13:30~いかるがホール@リハーサル室です。

 

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